仕事で使うテンプレートをひとまとめにする
こちらの記事ではテンプレートとデータについて解説しました。
テンプレートは、言い換えれば「常にある仕事に必要とされる型を事前に用意しておく」ということです。そして、普段の繰り返される仕事や家事において、「テンプレートの束」をあらかじめ用意しておくことは、確実に仕事のスピードアップや正確性の向上につながります。
たとえば、弊社の編集業務の一つに、広告記事の作成作業があります。
クライアントがいる広告記事は、通常の編集記事とは違い、細かい進行管理や、事前のヒヤリングなどが必要です。作業を一通り並べると以下のようになります。
- オリエンシートを使って、クライアントの要望をヒヤリングする(word)
- スケジュールを作成する(excel)
- 原稿を執筆する(textエディタ)
- ラフデザインを作成する(indesign)
- 図版を作成する(powerpoint)
このような作業があらかじめ予定されている場合、私は「タイアップ記事制作インストールキット」フォルダ化を作り、必要な情報をあらかじめ書いたテンプレートファイルを用意しておくことにしています。
こんな感じです。
タイアップ.本文.テンプレート.txtを開くとこんな感じになっています。
原稿に必要な定型の要素をすべてこちらに書き込むことで、ある程度まで抜けや漏れがないように、機械的に作業を進められるようにしているのです。
いざ取り掛かるぞとなったときには、まず「インストールキットを作業フォルダにコピーして、ファイル名を変える」というところから作業がスタートします。
仕事の抜け漏れをなくすためには、リスト化が重要ですが、このインストールキットは、フォルダに格納されたファイルそのものが、チェックリストも兼ねているといえます。できる限り作業のタイミングでは頭を使わなくていいようにするのがポイントです。
作業のリスト化にはNotionのテンプレートが便利
システムやブラウザ経由で行うような、ファイルを用意しなくてもいい作業については、NotionにTODOリストのテンプレートを用意して、作業をしています。
(テキストデータをコピペしてもよいのですが、常にNotionを立ち上げて作業をしているのでこちらの方が楽なんですね)
例えば、弊社の経理作業の一つに、毎月実施する源泉徴収の支払作業があります。ライターさん、デザイナーさんたちへの支払から源泉徴収した税金をe-Taxサイトに登録(申告)し、クレジットカードで支払うというものです。
このような作業のとき、Notionのテンプレートはとても便利です。
まず、やらなければならないTO DOリストをテンプレート化します。
そして、毎月決めておいた日程になったら、以下の画像の「+月次経理作業(源泉支払)を開始する」をクリックし、テンプレートの内容がコピーされたページを作ります。
その後、TODOリスト通りに粛々と作業を進めます。
この方法のいいところは、もしもその仕事を他の人に依頼することにしたとき、テンプレートをそのまま作業手順書として譲り渡すことができるということでしょう。
Notionでのテンプレート作成については、こちらの記事を参考にさせていただきました。この記事では「議事録」のテンプレート化について書かれています。これも素晴らしい時短技です。
たとえば「新しい外注の企業さん向けの契約書や口座登録依頼書を一つのフォルダにまとめておく」「セミナーを開催するときに必要なファイルを、インストールキット化しておく」などが考えられます。
useradd からの /etc/sklt コピーは超合理的で美しい
ちょっと話がそれるのですが、以前LinuxというOSを少しだけかじったことがあって、その思想が本当に合理的で美しいなと痛感したことがあります。
Linuxのサーバは複数のユーザが使う前提で、ユーザーを増やすときには、useraddというコマンドを使います。ここで非常に合理的なのが、useraddというコマンドを使うと、新規ユーザが作成されると同時に「そのユーザの作業するディレクトリ(フォルダ)」が作成され、そのフォルダに「/etc/skel」という場所にあらかじめ配置されていたファイル(主に設定ファイル)が自動的にコピーされる(スケルトンファイル)という仕組みになっているという点です。
たとえば、ここにそのサーバの使い方のルールが書かれたファイルを置いておけば、「新規追加されて右も左もわからないユーザさんでも、そのファイルを見ればサーバ使用時のルールは一通りわかるようにはなる」…なんて運用も可能なわけですよね。うーん、美しい…。
Linuxのシステム管理の方法からは、普段の仕事や生活でまねしたくなるような、たくさんのノウハウや哲学を学ぶことができるはずです。
考えてみれば、だれしも旅行のときにもっていく洗面道具などはひとまとめにしてポーチなどにいれているはず。仕事でも、よく使うものをまとめておく。それがデータならコピーして使えるようにする。それだけで、仕事のストレスがだいぶ減ります。というお話でした。